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プロジェクトストーリー

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アビット開発秘話

2008年に誕生したソファーバス「abitt(アビット)」 その名の通り「a bit(小さい)」コンパクトな浴槽だ。 フチをまたぐことなく、ソファーに体を預ける感覚で入浴できる。 今ではアマノを代表する製品の一つである。
その開発には、思いがけないところからのヒントが隠されていた。

省スペースでもゆったり入れる介護浴槽が欲しい

近年、腰痛により止む無く介護職から離れるスタッフも多い。腰痛予防対策は介護現場にとって大きな課題である。
それに加え、ユニットケアや小規模施設が増えてきたことにより、コンパクトな個浴が必要とされる時代となってきた。
そのため、ユニットケア等に対応できるコンパクトタイプの個浴槽の開発が急務となり、2006年8月、天野社長から開発部に指示がくだった。
「モデルチェンジではなく、新しいコンセプトの浴槽開発をスタートさせてほしい。」完成目標は1年半後。
「そんな短い期間で新しい製品を誕生させるなんて・・・」と開発部のメンバーは思った。しかし、「やるしかない!」

開発チームの挑戦

開発チームのメンバーはすぐさま、作業に取り掛かった。議論を交わしてはスケッチを持ち寄る日々が続いた。少しずつ形が見えてきた。形状は、車いすからも移乗しやすい縁高43cmに決まった。しかし、そこからが苦悩の始まりであった。
浴槽のフチをまたぐことができない方のための入浴装置。浴槽のフチをどうすればいいのか。メンバーから寄せられるアイデア。検討・却下、検討・却下…。時間だけがむなしく過ぎてゆく。フチをまたがずに入浴するため、浴槽の一部を扉にし上下させることは決まった。だが、その方法が問題だ。家庭のお風呂の蓋のような蛇腹や、ガレージのシャッターのように巻き上げる方法、さまざまなアイディアが飛び交ったが、これだ!というものには出会えずにいた。

住宅の門扉からヒントを得た「収納式スウィング扉」

住宅の門扉からヒントを得た「収納式スウィング扉」

そんなある日、メンバーの一人が通勤途中たまたま目に留まった家の門扉を見て「これだ!」と閃いたのだった。すぐさま、他の開発メンバーに報告。「これはいける!」全員がそう感じた瞬間だった。
扉である1枚の板を円弧を描くようにスウィングさせればいいのだ。
今まで、シャッター形状にこだわりすぎていたのだ。ここからは、早かった。
さっそく、「収納式スウィング扉」をスケッチしてみると、上下にスライドするよりも水深が深くなり、また、足元にスぺースが生まれることで、入浴者の立ち座りがしやすくなり、介助者も一歩踏み込めるので介助がラクになるというメリットもある。
コンパクトでもゆったりお湯に浸かりたいとはいうものの、浴槽内が広くなりすぎると、その分湯量が増えてしまう。円弧を描く「スウィング扉」なら、湯量も減らすことができるため、節水につながるのだ。

使い勝手とデザインの両立

入浴者を第一に考えるのは当然だが、入浴介助は介助者の負担が大きく、腰痛を患い介護現場を離れるケースが後を絶たない。そのため、腰痛予防を考え操作パネルの位置を介助しやすい床から90cmの高さに設定。また、温度表示パネルの視認性や操作性など、使いやすさを徹底的に追求するためレビューを繰り返していった。介助者には女性も多いため、デザインや色使いは女性社員の意見を採用し、やわらかいイメージに仕上げた。

発売と同時に大ヒット!グッドデザイン賞も受賞

こうして、2008年2月、「アビット」は発売開始から好調な売れ行きをみせ、初年度の出荷目標を早々と達成。いまやアマノの主力商品にまで成長した。さらに、2010年度のグッドデザイン賞を受賞し、特許登録も取得したのである。
「アビット」を導入されたお客様からの喜びの声が本社にも届いた。開発メンバーは入浴される方、介助される方のお役に立てる製品を開発できたという達成感とエンジニアとしての使命に満ちていた。

使い勝手とデザインの両立/グッドデザイン賞受賞

限りなき挑戦

限りなき挑戦

開発から1年半で市場に流通した新製品はアマノの長い歴史の中でも例がない。
このプロジェクトは、困難があってもあきらめず、やるんだという強い想いがあれば、どんなことでも叶うと教えてくれた。
「アビット」の開発はチームにとって大きな自信になり、会社にとっても画期的なプロジェクトだったといえるだろう。
お客様によりよい製品をお届けするため、アマノの挑戦はこれからも続く。